〈AJC column〉
〔6〕2018.11
　今年夏の全国高等学校野球選手権大会で、秋田県の金足農業高校が決勝戦まで勝ち進んだ。農業系高校が久しぶりにマスコミでも大きく取り上げられ、関係者に明るい話題をもたらした。
　今、日本では農業系の高校は減り続けており、ついに300校を切るかどうかというところまできた。例えば新潟県は農業高校及び農業科を有する高校は10校あったものが、4つの農業高校を残して閉科・閉校され、石川県では県立翠星高校という農業系の高校1校のみとなっている。
　しかしながら、今農業は品種改良や、遺伝子組み換えの新しい技術で、世界が激しい戦いを繰り広げている。国内でも今年は「富富富（ふふふ）」「雪若丸（ゆきわかまる）」など新しいコメが次々に生まれた。イチゴは代表的な福岡県のブランドイチゴ「あまおう」や、栃木県の「とちおとめ」の新品種で大粒な「スカイベリー」、佐賀県の「さがほのか」の後継「いちごさん」が話題となっている。農作物のタネの輸出に対しての関心も高まってきている。
　農業は21世紀の先端技術の宝庫といえる。その様な世界の流れの中で、農業高校が人気をなくし、閉科・閉校が続いているのは残念だ。日本の農業の未来は決して暗くはない。若者たちや社会が農業に魅力を感じる動きが出てきてほしいものだ。

〈Information〉